@ bar

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

真冬に咲いた向日葵

小柄で目立たない少年
そんな少年に恋したツバメは
いつもいつも少年の周りを飛んでいました

優しくて
世話を惜しまず
忍耐強い
そんな少年にツバメは心を奪われたのです

年老いたツバメにとって
これが最初で最後の恋の予感がしていたのでした
まるで年頃の娘のように化粧をして
ワクワクと少年に逢いに行くのでした

少年も、深い慈しみをもって
ツバメに優しく、温かく話しかけるようになりました
ツバメは少年にとってかけがえのない存在になったのです

季節は廻り、風が冷たくなってきた頃
少年は言いました
 「そろそろ君は南へ帰らなきゃ…
 僕の家は貧乏だから、暖房なんてないんだ
 君と冬を過ごすことは出来ないんだよ…
 また来年会えるよ
 君を忘れたりしないし、君の帰りを待ってるよ」

ツバメは言いました
 『だったら私が羽ばたいて温かい風を送って差し上げますわ
 温かい羽毛であなたを包んで差し上げますわ』

その年の冬は例年になく厳しい寒さでした…
少年は弱っていくツバメを一生懸命に温めてあげました
 「もう少しで暖かくなるよ、あと少しだよ」

ツバメは言いました
 『ありがとうございます。あなたの優しさが私の心を温めてくれているのですよ
  でも、もう… お別れの時期が近づいているようです』

 『本当にあなたが大好きでしたわ
  大切に思ってくれてありがとうございます
  私は本当に幸せでしたわ』

冬の悪魔のいたずらか
少年が風邪で寝込んでいる間に
ツバメはひっそりと息を引き取りました
少年が大切にしていたヒマワリの鉢の上で
少年への感謝を胸に
神様のもとへ羽ばたいていったのです

ツバメの死を知った少年は、病床にもかかわらず
たくさんの感謝と、たくさんの涙とともに
ツバメを鉢の中へ埋めてあげました
降り注ぐ涙は鉢から零れ落ちていました

そして少年は笑顔を忘れてしまいました

次の春は、暖かで穏やかな陽気が続きました
少年は、元気に飛び交うツバメたちを見ると切なくなるのでした

やがて寒い冬が訪れ
少年がツバメを思っていた時…



スポンサーサイト
  1. 2007/03/19(月) 03:57:53|
  2. 部屋
  3. | コメント:2

自販機の横で

綺麗な景色が見たいから
僕はここにいる

たくさんのものを受け入れて
できるだけ役に立ちたいけれど
僕の専門は一つだけ

専門外を、無理矢理押し付けられることもある
でも僕は我慢する

綺麗な景色であって欲しいから
だから僕は我慢する

心無い行為で
全身汚くなって
今にも吐き出しそうな姿で
泣いているのは僕だけじゃない
だから僕は我慢する

僕の姿は
みんなの心
きっと気付いてもらえる

見たいのは
綺麗な景色だけじゃない
望むのは
綺麗な景色だけじゃない

だから僕は我慢する



  1. 2007/02/08(木) 04:24:53|
  2. 部屋
  3. | コメント:2

初めてのクリスマス

 「クリスマス・・・
  私の願いは、皆が笑顔で過ごすことです」

お爺さんは星に願い事をしました

 「さて、町に出てみるか…」

 「おぉ!キラキラと世界が輝いているよ!
  今年も笑顔がいっぱいだ!」

 「笑顔だけでなく、キラキラまで!
  素敵なプレゼントだ!」

お爺さんは心から嬉しくなって、楽しい気分になりました
そして、お婆さんにたくさんのプレゼントも用意しました

 「さて、帰って婆さんにプレゼントを渡そう
  一緒に酒を飲んで、たくさんお話してあげよう
  少し急ごう
  婆さんが待ってる・・・」

お爺さんは、ニコニコしながら帰っていきました

 「婆さんや、今日はたくさんの素敵に出会えたよ
  わしは最高のプレゼントを頂いてきたよ
  はい、これはわしから婆さんへプレゼントだ」

辺りはプレゼントでいっぱいになりました

お爺さんは
お婆さんの写真と一緒に
たくさんのお話をして、ニコニコとお酒を楽しみました

お爺さんにとって、初めて一人のクリスマス


 「婆さんや
  これからも、うんと素敵なお話を聞かせてあげるからね
  もう少し、そこで待ってておくれ・・・」


ひとしずくの涙が
夜空に流れたクリスマス



  1. 2006/12/25(月) 03:54:53|
  2. 部屋
  3. | コメント:14

生き方

なんとかなるさ♪
キリギリスは歌ってる

どうにかなるさ♪
キリギリスは歌ってる

一匹の勇気あるアリが
キリギリスに言いました

 あの…、僕らって
 助けないアリはひどい奴だ
 キリギリスが可愛そうだ
 なんて言われてるんですよ

 どうにかなるはどうにもなりません
 ご自身でなんとかなるように考え直してください

再び、キリギリスは歌い始めました
そのうち利用してやるさ♪

一人、また一人と
聴衆が減っていくのに気付かずに

明日は明日の風が吹く♪
キリギリスは歌ってる

~♪

~~♪



  1. 2006/11/10(金) 05:20:15|
  2. 部屋
  3. | コメント:4

ピエロ

待ち合わせ
走ってくる君を見つめながら
心の中で
何度も愛してるって叫んでた
届かない想いは風の中へ

君と歩く喜びは
恋人へのプレゼントを選ぶ君の笑顔に触れた途端
人ごみの中へ

やがて訪れる幸せを語る君の笑顔と
それを聞く僕の笑顔
君の「ありがとう」が胸にチクリ

君の背中を見送りながら
心の中で
何度も愛してるって叫んでた
届かない想いは風の中へ


君の背中が滲んでいく


溢れる想いは風の中へ



  1. 2006/11/01(水) 07:37:38|
  2. 部屋
  3. | コメント:4

ケン

ケンはメリーに恋をしました

芸術を愛でるかのように
自然を愛するかのように
それはそれは海よりも深く

メリーの愛がポールに微笑んだ時
ケンは誰よりも笑顔で二人を祝福しました
ポールはケンの親友でした

メリーが亡くなった時
ケンは誰よりも優しく、温かくポールを慰めました

やがて元気を取り戻したポールは
新しい妻を迎えることが出来ました

でも誰も知りません

ケンが誰を愛していたかを

毎晩メリーの墓の前で涙する姿が
ケンだったということを

ケンが亡くなってから
メリーの墓に薔薇が飾られなくなったことを



  1. 2006/10/13(金) 03:29:00|
  2. 部屋
  3. | コメント:10

夜の涙

毎晩、たくさんの話を聞くのは本当に楽しい

『今日は世界中の結婚式を見てきたのよ…』
花嫁の涙が日を浴びる朝露のように綺麗だったこと
お祝いの人々の笑顔が太陽のように眩しかったこと
たくさんの幸せを話してくれるお月様

『昨日、南の海でイルカたちとダンスしちゃった♪』
波が光をキラキラさせて
ダンスに花を添えてくれたこと
とても楽しそうに話をしてくれた

『ずっとずっと昔
 私はもっと綺麗にそこから見えていたのよ』
彼女からも、こちらが見えにくくなっているらしい
少し愚痴っぽく話してくれたこともあったっけ

でも今日は雲の後ろに隠れっぱなし
雨がしとしと降り続いてる
夜の雨は好きになれない

普段は無口な雲が
ぽつりと僕に囁いた

『あれは、悲しいものや辛いものを見た時は
 私に隠れて泣いているんです…』

『皆さんの優しさが溢れていたら
 皆さんの幸せが溢れていたら
 皆さんの笑顔が溢れていたら
 皆さんが仲良くしてくれていたら
 あれの涙を見なくてすむのに…』



  1. 2006/09/01(金) 02:56:06|
  2. 部屋
  3. | コメント:2

プロフィール

しぶ

Author:しぶ

(^-^*)

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

リンク

このブログをリンクに追加する

カウント

現在の閲覧者数:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。